Story
小学生の頃からずっと成績はオールA、さらに中学時代は首席と天才的な頭脳を持つ女子高生リン(チュティモン・ジョンジャルーンスックジン)。裕福とは言えない父子家庭で育った彼女は、その明晰な頭脳を見込まれ、晴れて進学校に特待奨学生として転入を果たす。新しい学校で最初に友人となったグレース(イッサヤー・ホースワン)を、リンはテストの最中に“ある方法”で救った。その噂を聞きつけたグレースの彼氏・パット(ティーラドン・スパパンピンヨー)は、リンに“ビジネス”をもちかけるのだった。
それは、より高度な方法でカンニングを行い、答えと引き換えに代金をもらう――というもの。“リン先生”の元には、瞬く間に学生たちが殺到した。リンが編み出したのは、“ピアノ・レッスン”方式。指の動きを暗号化して多くの生徒を高得点に導いたリンは、クラスメートから賞賛され、報酬も貯まっていく。しかし、奨学金を得て大学進学を目指す生真面目な苦学生・バンク(チャーノン・サンティナトーンクン)はそれをよく思わず…。そして、ビジネスの集大成として、アメリカの大学に留学するため世界各国で行われる大学統一入試<STIC>を舞台に、最後の、最大のトリックを仕掛けようとするリンたちは、バンクを仲間に引き入れようとするが…。
小島秀夫(ゲームクリエイター)
巷ではタイの高校生版「オーシャンズ11」と言われているが、 映画の偏差値はむしろカンニング編「ミッション・インポシブル」! マークシート式の娯楽作では伝えられない、人間味ある記述式で語られる、若く切ない、青春社会派ドラマ。映画評を覗き見(カンニング)しなくても、本作が満点の合格作である事は間違いない。
辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)
スリリングすぎるカンニングに手の汗が止まりません。 カンニングする人の勇気にリスペクトすらこみ上げます。 精神的にはカンニングより普通に勉強したほうが全然ラクだと実感、 一周回って道徳的な映画です。
茂木健一郎(脳科学者)
最後まで夢中にさせられる、卓抜な映像と奇想天外なストーリー。 試験という「悪夢」を、極上のエンタメにしたこの映画は、まさに「天才」! 個性的な登場人物たちの誰かに、思わず感情移入してしまう。
朝井リョウ(小説家)
観終わった後、「おもしろかった~!」と気持ちよく叫びました。 脳内にあるツボを順路通りに押してくれるようなストーリー展開やキャラクター造形はもちろん、 音楽や小物の使い方など細やかな演出で目いっぱいのスクリーンに夢中になっているうち、 いつしか異国を覆う社会問題に意識が向いている。 主題を、それとは直接関係のない場所にまで届けることが出来る“物語”の力を再確認させられました。
サヘル・ローズ(女優・タレント)
新感覚のエンターテインメント作品。キレのある鋭い視点。 こんなのアリ?日本では考えられない発想に終始アッパレ! テンポやリズムに圧巻!緊張感で汗が止まらない。 カンニングが題材の映画なのに涙がでるなんて、こんなこと初めて。 アナタもきっと彼等を応援してしまう。中毒性が高い作品を覚悟してみて欲しい。
伊藤潤二(漫画家)
カンニングはいけないと思いつつ、ハラハラドキドキ、何とか切り抜けてくれ!と思ってしまった。 人生の歯車は些細なことから狂っていくものだなあとしみじみ思う。 この物語は、その歯車が狂うさまがスリル満点に描かれる。 見事だなあ、と感心しながら、観終わる頃には、 主役・リンの童顔と9頭身ボディのギャップの虜になっていた。
ゆうたろう(モデル/俳優)
初めてタイの映画を観させて貰ったんですけど 想像していたのと違って、観ていて新鮮でした。 最初から最後までリンの頭脳が天才すぎて 度肝抜かれるシーンが多くてラストシーンとか終始ヒヤッヒヤでした。 そして作中で行われてるカンニング方法が 実際テストで行われないように願ってます…
内田良(教育社会学者)
学歴幻想をぶち壊す闘い
努力した者こそが,報われる――これは,戦後の学校教育システムを成り立たせる大前提である。 だが現実には,家庭の経済状況や友人との人間関係などが 複雑に絡み合いながら,学歴は形成されていく。 4人の高校生が,学歴幻想に果敢に挑戦する姿は見物である。
森ガキ侑大(CMディレクター/映画監督)
この映画はスタイリッシュで社会性も含まれていて 尚且つエンターテェーメントな作品で本当に嫉妬しました。 自分もこんな映画を世に送り出したい。 同世代の監督がをれを成し遂げてしまって 絶望感と希望感が混合して心の中をさまよってました。 一人でも多くの方にみてもらうべき映画だと思います。
長谷川町蔵(著述家)
フランスの『ザ・カンニング[IQ=0]』や アメリカの『スカーレット・ヨハンソンの百点満点大作戦』など、 カンニングがお題の学園映画はこれまでも世に問われてきたわけだけど、 最適解がタイから出されるとは! 観るべき映画の足切りラインクリアどころか、 奨学金ゲット確実な優秀作だと思います。