この戦争を日本が支持したことを憶えていますか?
ジャーナリスト 綿井健陽が刻みつけたイラクでの出会いと別れ――。
ある家族との10年の記録。
解説
『Little Birds -イラク 戦火の家族たち-』の綿井健陽が見つめた戦乱のイラク、その10年。ある家族との出会いと別れを通じて、イラクの“今”を鮮烈に描く傑作ドキュメンタリー!!
大量破壊兵器保有を口実に、2003年3月の米英軍によるバグダッド空爆から始まったイラク戦争。11年にオバマ米大統領が「イラク戦争終結」を宣言して米軍は撤退したものの混乱は続く。10万人以上にのぼるおびただしい死者と引き換えに、イラクの人々が時折抱いた希望は浮かんでは消え、“イラクの春”は砂塵と爆音のかなたにかすむ。日本も支持した戦争は何をもたらしたのか?
2003年4月、チグリス川周辺を連日襲ったあの激しい空爆の翌日、ジャーナリストの綿井健陽はバクダッド市内の病院で多くの空爆犠牲者たちと出会った。全身血だらけの娘シャハッド(当時5歳)を抱きかかえるアリ・サクバン(当時31歳)。彼はこの空爆で3人の幼い子どもを失った。同世代のアリに魅かれ、その後もサクバン一家を追い続けた綿井は、開戦からちょうど10年目に再会するはずだった。
2013年3月、綿井はこれまで出会ったイラク市民の写真を手にバグダッド市街を走り回っていた。開戦前夜、空爆、米軍による制圧と占領、宗派抗争、爆弾テロ…様々な局面を取材し続けてきた綿井が、“戦争の日常”を懸命に生きる彼らの姿を、友人が残した「それでも、日々はつづいていく」という言葉とともに映像に刻みつける。『Little Birds -イラク 戦火の家族たち-』の“その後”を追った本作は、イラクの10年を市民の視線で見つめ、中東を混乱に追いやった原因を問い続けるドキュメンタリー映画である。
セールス・ポイント
ジャーナリスト 綿井健陽が“イラク 戦乱の10年”を市民の視点から見つめた傑作ドキュメンタリー!!
『Little Birds -イラク戦火の家族たち-』の“その後”―ある家族の出会いと別れを通じて“戦火の日常”を生きるイラク市民の“今”を描く!!
※綿井健陽監督作品『Little Birds-イラク 戦火の家族たち-』DVD好評発売中!
アリ・サクバンへの綿井健陽の思いが切ない。人がこれほど簡単に死ぬ。その責任はアメリカの武力侵攻を支持した日本にもある。ならば考えねば。それは同時代を生きている日本人一人ひとりの責任なのだと。――森達也(作家/映画監督)
◆2015年 フランス・FIPA国際映像祭 特別賞
◆2015年 座・高円寺ドキュメンタリー祭 大賞
◆2014年 ドバイ国際映画祭 正式招待
◆2014年度「キネマ旬報ベストテン・文化映画部門」第10位
作品情報
- スタッフ
- 監督・撮影:綿井健陽『Little Birds イラク 戦火の家族たち』『311』
プロデューサー:小西晴子『アトムとピース ~瑠衣子 長崎の祈り~』『赤浜ロックンロール』
ポストプロダクション・プロデューサー:安岡卓治『赤浜ロックンロール』『A』
編集:辻井潔『さとにきたらええやん』『赤浜ロックンロール』
編集助手:吉田拓史
取材協力:イブラヒム・モウサ、ヘンドリン・アメディ、ワリード・フマディ
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