全て革命のため。
革命を志した若者たちは、なぜ殺しあったのか。
死んでいった者たちと生き残った者たちの悔恨と鎮魂を刻印するミクスチャー・ドキュメンタリー!
解説
理想に燃えた若者たちが革命という名の下に肯定した「暴力の理論」とは。学生運動の当事者たちの証言と、短編劇で“内ゲバ”の不条理を炙り出す、ミクスチャー・ドキュメンタリー!!
現在から約50年前の1972年11月8日、早稲田大学のキャンパスで1人の若者が殺された。第一文学部2年生の川口大三郎君。文学部自治会を牛耳り、早大支配を狙う新左翼党派・革マル派による凄惨なリンチが死因だった。学生運動終焉期にエスカレートした、内ゲバの嵐。その死者は100人を超える。好奇心旺盛な普通の若者だった川口君は、なぜ殺されなければならなかったのか。
これまでほとんど語られてこなかった内ゲバの真相に、当事者の視点から切り込んだ書籍「彼は早稲田で死んだ」(著=樋田毅/文藝春秋)との出会いから本作の製作は始まった。1972年当時若者だった内田樹、池上彰、佐藤優らが登場し、“あの時代”を語る貴重な証言が積み重ねられていく一方で、内ゲバとは何だったのかという大きな疑問が広がってゆく。その疑問を現代に手繰り寄せるために、川口君事件を再現する短編劇パートも撮影。学生運動を題材にした演劇を数多く発表してきた鴻上尚史が、演出を手がけた。
監督は、『三里塚に生きる』『三里塚のイカロス』『きみが死んだあとで』で、新左翼闘争が渦巻いた“あの時代”を描き続けてきた代島治彦。徐々に過去の歴史になりつつある時代の記憶と体験を、四たびドキュメンタリー映画に凝縮した。特典映像として収録された、池上彰による「日本新左翼史講義」は、本作の内容と当時の学生運動を巡る状況をより深く知るうえで、重要な資料となるだろう。
※内ゲバ=内部ゲバルトの略。ゲバルトはドイツ語で「暴力」の意。一般的には、日本の学生運動や新左翼党派間での暴力を行使した党派闘争を指す。
セールス・ポイント
▶革命を志した若者たちは、なぜ殺し合ったのか。内田樹、池上彰、佐藤優と当事者たちが“あの時代”を語り、鴻上尚史・演出の短編劇が“内ゲバ”の不条理を炙り出す!!
▶『きみが死んだあとで』『三里塚に生きる』の代島治彦監督、最新作! 死んでいった者たちと生き残った者たちの悔恨と鎮魂を刻印するミクスチャー・ドキュメンタリー!!
▶特典映像として池上彰の日本新左翼史講義を収録!!
▶原案本「彼は早稲田で死んだ大学構内リンチ殺人事件の永遠」(樋田毅 著/文藝春秋社 刊)好評発売中! 【第53回 大宅壮一ノンフィクション賞受賞】
コメント
証言者パート、劇作パート、メイキング・パートが相乗的にかみ合って、起きていたことをヒリヒリと浮かび上がらせていた。
時代の狂気のせいにしてはならない。今につながるテーマだ。――金平茂紀(ジャーナリスト)
作品情報
- キャスト
- ドラマパート監督・脚本:鴻上尚史『恋愛戯曲 ~私と恋におちてください。』
出演:望月歩『虎に翼』、香川修平、高橋陸生、桝屋大河、相原滉平、石川真也、琴和
- スタッフ
- 監督・企画・編集:代島治彦『きみが死んだあとで』
プロデューサー:沢辺均
原案:「彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠」(樋田毅 文藝春秋社刊)
撮影:加藤孝信『スープとイデオロギー』
整音:東凌太郎『歌と羊と羊飼い』
音楽:大友良英『季節のない街』
関連情報
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