山懐に抱かれて
山地酪農を実践する酪農大家族の24年。
美しくも厳しい岩手の自然を背景に綴る長編ドキュメンタリー!
解説
「みんなが幸せになる、 おいしい牛乳をつくりたい」。限りなく自然に近い環境で牛を育てる酪農大家族・吉塚家の24年間を丹念に綴ったドキュメンタリー!
岩手県下閉伊郡田野畑村に暮らす、5男2女・9人の酪農大家族。吉塚一家が営むのは、1年を通して山に牛を完全放牧し、大地に生えるシバと自前で栽培する牧草だけを餌に牛を育てる“山地(やまち)酪農”。自然の営みのなかから生み出される、その理想の酪農の実現を胸に、大学卒業後この地に移住した父・公雄は、山を切り開き、シバを植え、牧場を育ててきた。プレハブの家でのランプ生活が続くなか授かった7人の子どもたちは、父の背中を追うように牧場を元気に駆け回り、手伝いをし、すくすくと成長。夏には冬のための草を刈り、秋にはヤマナシの木に登ってその実をオヤツに、冬にはみんなで薪を拾い、春には仔牛が生まれる…四季の風景に彩られ、休むことのない牧場の暮らし。一方、自然とともに歩む“山地酪農”ゆえの課題は、次々と一家の暮らしの前に立ちはだかる。
山地酪農を実践する吉塚家の歩みを、24年の長きにわたって追ってきたのはテレビ岩手。岩手県内および日本テレビ系列「NNNドキュメント」で放送を重ね、数々の賞を受賞してきたこの人気TVドキュメンタリーシリーズを、開局50周年を記念して映画化したのが『山懐に抱かれて』である。その丹念な取材が評価され、本作は第73回 文化庁芸術祭 テレビ・ドキュメンタリー部門 優秀賞、第45回 放送文化基金賞 テレビドキュメンタリー番組部門 奨励賞を受賞した。
数々のジレンマと闘いながら試行錯誤を繰り返す日々、仲間とともに踏み出したプライベートブランド《田野畑山地酪農牛乳》設立への挑戦、第二牧場への夢―。山懐に抱かれて、365日24時間“いのち”と向き合いながら、愛情いっぱいに育まれる営みを大切に綴ったドキュメンタリーとなっている。
山地(やまち)酪農とは
植物生態学者の猶原恭爾博士により提唱された、日本国土の特徴や動植物本来の生態系を生かし、限りなく自然に近いサイクルで営む循環型酪農法。猶原博士は「一度形が決まれば、末代までほぼ毎年、普遍的な牛乳の供給ができるようになる」と、これを「千年家構想」と銘打ち、民俗学者・農村指導者の宮本常一も「日本の畜産の将来を賭ける」と評し期待を寄せた。近年では、家畜に対する倫理・道徳的観点から、そして無農薬の草だけを餌に生み出される「グラスフェット」食材はじめ、安心安全を重視する消費者からも注目を集めている。一方で、山の生育・大自然とともに歩み、広大な牧地を必要とするこの酪農法の定着安定までには多くの時間も労力も要することから相当の覚悟と忍耐が必要とされ、実践・継続する農家はごくわずか。吉塚牧場と仲間がともに営む《田野畑山地酪農牛乳》では、自ら厳しい「生産者規定」を定め忠実に守っている。
セールス・ポイント
●限りなく自然に近い環境で牛を育てる山地酪農を実践する大家族・吉塚家、24年の記録!
●遠藤隆監督作『たゆたえども沈まず』もリリース!
東日本大震災から10年―。テレビ岩手のカメラが撮り続けた1850時間の映像が紡ぐ真実の記録!
22.2.25発売『たゆたえども沈まず』MX-688S/¥4,400(税込)
●文部科学省特別選定・文部科学省選定作品!
作品情報
- 製作年・国
- 2019年・日本
- ジャンル
- ドキュメンタリー
- 権利元
- (C)TVI. ALL Rights Reserved
- キャスト
- 吉塚公雄、吉塚登志子、浅野都、吉塚公太郎、吉塚恭次、山崎令子、吉塚純平、吉塚雄志、吉塚壮太、吉塚和夫、吉塚淑
- スタッフ
- 監督・プロデューサー:遠藤隆『たゆたえども沈まず』(監督)
ナレーション:室井滋
撮影:田中進『たゆたえども沈まず』、上屋敷益元、柳田慎也、谷藤修二、吉塚公太郎、山崎令子
ドローン撮影:上屋敷大輝『たゆたえども沈まず』
構成・編集:佐藤幸一『たゆたえども沈まず』
音楽:増子彰『東京クルド』(サウンドデザイン
音声:鈴木茂人
取材:菊池健
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