“永夜”――千年に一度訪れる漆黒の闇は、大地を凍らせ、人々を滅ぼすという。本作は、冥王が引き起こす“永夜”を阻止しようと尽力する義侠の士たちの戦いと、二大国の対立を軸とする乱世の趨勢、そして忌まわしき伝説と絶望の運命を断ち切る新たな英雄の誕生を、圧倒的なスケールで描いたドラマシリーズである。『擇天記～宿命の美少年～』の原作者マオニーの手による気宇壮大な物語を脚本として完成させるまで２年の月日をかけ、女性監督のヤン・ヤンが繊細かつ雄大な映像美で仕上げた。新疆ウイグル自治区でクランクインした後、中国とカザフスタンの国境に位置するサリム湖、シルクロードを代表する奇観で「魔物の棲む町」と呼ばれるヤルダン魔鬼城など、６ヶ月にもわたる大ロケーションを敢行。峻厳たる自然の風景は、熾烈な運命に挑む者たちの姿を際立たせる背景としてばかりでなく、見どころのひとつとなっている。

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主人公の寧缺（ねい・けつ）を演じるのは、2000年生まれの新世代スターで、名匠チェン・カイコー監督の息子でもあるチェン・フェイユー。レオン・ライ、ディラン・クォ、フー・ジュンら香港・台湾・中国の錚々たる俳優陣を向こうに回し、初の主演という大抜擢に見事な演技で応えた。冒頭約10分間に及ぶ怒涛のアクションシーンから幕を開ける第１話は、配信初日に再生回数1.8億回を記録。以降３日間、あらゆる検索ランキングでトップ10入りする驚異の注目度を獲得した本作は、早くも続編の製作も決定している。安易にCGに頼らない圧倒的な映像の美しさと、中華圏を代表する名優たちと最新スターの競演…躍進目覚ましい中国ドラマの最先端に、あなたはきっと驚嘆する！

第一話

天啓15年、金帳王庭（きんちょうおうてい）の単于（ぜんう）が急逝し、唐（とう）国から嫁いだ李漁（り・ぎょ）が殉葬されることに。彼女は密かに逃走を試みるが、計画はあえなく露見してしまう。差し向けられた追っ手に馬車を包囲され、万事休すかと思われたその時、何者かが放った短刀が生き物のように宙を舞い…。

第二話

渭（い）城の馬（ば）李将軍は、渋る李漁（り・ぎょ）を説得し、彼女を都まで護送する案内役に寧缺（ねい・けつ）を据えた。一方、李漁が金帳王庭（きんちょうおうてい）を脱出したことを知った唐（とう）国の夏候（か・こう）将軍は、妹・夏天（か・てん）の身を案じ「李漁はお前の命を狙うぞ」と忠告し…。

第三話

「命の恩人でも、あなたのことは大嫌いよ」と言い放った李漁（り・ぎょ）だったが、寧缺（ねい・けつ）への態度には、それまでのとげとげしさが消えていた。２人は焚火を見つめながら、夜が更けるのも構わずに互いの境遇を語り合うのだった。そんななか、唐（とう）の都では夏候（かこう）が謀反の疑いで捕縛され…。

第四話

新たに清運司の長となった張貽琦（ちょう・いき）は、街の住人たちに立ち退きを命じた。しかし、そこは魚龍幇幇主・朝小樹（ちょう・しょうしゅ）の縄張り。底知れぬ実力を持った剣客と噂される彼が、おめおめと引き下がるはずもなかった。同じ頃、都に辿りついた寧缺（ねい・けつ）と桑桑（そうそう）は…。

第五話

「そなたを嫁がせたことを悔いておる」――唐（とう）国の君主・李仲易（り・ちゅうえき）は、娘の李漁（り・ぎょ）に告げた。それを聞き、涙する李漁。やがて、口を開いた彼女は、夏候（かこう）の解放を要求するのだった。一方、貸家で商売を始めた寧缺（ねい・けつ）のもとに、朝小樹（ちょう・しょうしゅ）が…。

第六話

弟分の卓爾（たくじ）を殺したのは、張貽琦（ちょう・いき）の手下だった。報告を受けた朝小樹（ちょう・しょうしゅ）は、張貽琦を討ち、卓爾の仇を取ることを誓うのだった。一方、寧缺（ねい・けつ）も、15年前に起きたとある事件がきっかけで張貽琦を追っていた。明日、とどめを刺す――そう決意した寧缺だったが…。

第七話

雷鳴轟く土砂降りのなか、群がる敵をたった２人で斬り伏せた朝小樹（ちょう・しょうしゅ）と寧缺（ねい・けつ）。家路を辿る足下もおぼつかないほど疲労困憊の彼らの前に、王景略（おう・けいりゃく）が現れた。矢を射かける寧缺だったが、技量の差は歴然。２人が死を覚悟したその時、思いもよらぬ助っ人が…。

第八話

魚龍幇は、唐（とう）国の君主たる李仲易（り・ちゅうえき）が、街の情報を集めるために作らせた組織なのだという。その言葉に、朝堂に集まった重臣たちは驚きの声を上げ、顔色を失うのだった。一方、王宮へと出向いた寧缺（ねい・けつ）は、秘密の任務を遂行する侍衛――暗侍衛として登用されることに…。

第九話

いよいよ書院の試験当日となった。第六王子が急病となり、王宮に留まることになった李仲易（り・ちゅうえき）の代理として、李漁（り・ぎょ）が試験に立ち会っている。しかし、その裏で不穏な計画が進行していた。当初は李仲易を書院で暗殺する予定だった刺客たちは、急遽、その標的を李漁へと変更し…。

第十話

配下の苦労をねぎらい、酒を振る舞う崇明（すうめい）。しかし、杯に口をつけた男たちは苦しみだし、やがて息絶えた。復国会の情報が洩れることを恐れた崇明が、手下を皆殺しにしたのだ。一方、「完全に落ちた」と諦め顔の寧缺（ねい・けつ）が、一縷の望みをかけて試験結果を確認しに行ってみると…。

寧缺（ねい・けつ）チェン・フェイユー

唐国の辺境・渭城で育ち、“梳碧湖の柴刈り人”の通り名を持つ青年。仇敵である夏侯を討つため、書院での修業を志す。

桑桑（そうそう）ソン・イーレン

寧缺の侍女。夏侯の襲撃から生き残った赤ん坊を、寧缺が助けて、共に育った。侍女ではあるが、友達や妹のような存在。

夏侯（か・こう）フー・ジュン

唐国の北部を治める鎮北大将軍。魔宗出身であること隠す代わりに“冥王の子”を殺すよう衛光明に脅され、林将軍家を殲滅した。

李仲易（り・ちゅうえき）レオン・ライ

昊天世界最大の国家・唐国の王。温和だが、多数の隠れた顔を持つ。過去には書院で学んだこともあり、夫子を尊敬している。

李漁（り・ぎょ）トン・ヤオ

唐国の公主。金帳王庭の単于（君主）に嫁いだが、夫の死による殉葬から逃亡。夏侯の襲撃を受けながらも、寧缺を供に唐へ逃げ帰る。

衛光明（えい・こうめい）ニー・ダーホン

光明殿の光明大神官。西陵神殿では、掌教に次ぐ地位にある。15年前に永夜到来を予知したことを機に、幽閉されてしまう。

夫子（ふうし）アダム・チェン

書院の創始者で院長。昊天世界の最強人物で、境界は“無矩”。唐王を選出するほどの権力を持つ。千年前の永夜を経験している。

隆慶（りゅうけい）クリス・スン

燕国の第二王子。“光の子”と称され、兄の崇明を差し置き、王位後継者と目されている。燕国復興のため、西陵神殿で修行中。

陸晨迦（りく・しんか）ホァン・イーリン

月輪国の公主で、月輪国が信仰する宗派・天擎宗（てんけいしゅう）の聖女。天下三痴の一人で“花痴”。隆慶との絆は深い。

朝小樹（ちょう・しょうしゅ）アンディ・オン

唐国の都を牛耳る裏組織、魚龍幇の幇主。3000人の配下を持ち、“二兄貴”として慕われている。飛剣を操る“大剣師”。

監督・脚本：

ヤン・ヤン（楊陽）『記憶の証明』

原作：

マオニー（猫膩）『擇天記～宿命の美少年～』

脚本：

シュー・ルン（徐閏）、金色文学工作室

撮影監督：

ホァン・イーチン（黄一欽）

編集：

ツァオ・ウェイジエ（曹偉杰）『さらば復讐の狼たちよ』

美術監督：

イー・ジェンジョウ（易振洲）『HERO』

特殊撮影監督：

ヤン・ジー（楊志）、チャオ・フォン（喬峰）

アクション監督：

ムー・ニン（穆寧）

スタイリスト：

ホァン・ウェイ（黄薇）『楚喬伝～いばらに咲く花～』